甲状腺専門外来について
医師コラム
診察のながれ
甲状腺にしこりが見つかった場合、問診、視触診、血液検査、超音波検査をおこないます。超音波検査で、しこりが大きい場合や悪性を疑う場合は超音波ガイド下穿刺吸引細胞診をおこなうことがあります。
超音波検査
甲状腺超音波検査では頚部にゼリーをつけたプローブ(超音波探査子)をあてて甲状腺内部を検査します。当院では血流や硬さを測定可能な最新の超音波検査装置を完備しています。
超音波ガイド下穿刺吸引細胞診
しこりが大きい場合や悪性を疑うとき、甲状腺超音波診断精査基準に準じおこないます。超音波で甲状腺の内部を観察しながら、針を刺して細胞を採取し顕微鏡で細胞の良性、悪性を判定します。
甲状腺結節の手術について
甲状腺結節の手術は、甲状腺を温存する手術(甲状腺葉切除)と甲状腺全摘術に分類されます。穿刺吸引細胞診で甲状腺乳頭がんと診断された場合は、年齢や腫瘍の進行の程度で術式が異なります。甲状腺全摘術を行った場合は、生涯甲状腺ホルモンを内服する必要があります。
手術の際の入院期間は約5日間となります。
甲状腺の手術では、音声に関係する反回神経や上喉頭神経の外枝を損傷するリスクがあります。当院では、手術の過程で、こうした神経の損傷をできる限り避けるために、『神経モニタリング』を積極的に施行しています。