病院の紹介

院長あいさつ

院長あいさつ

南相馬市立総合病院 院長 及川 友好

南相馬市立総合病院は、福島県の太平洋沿岸の北2/3を占める相馬郡と双葉郡(相双2郡)の中核病院です。その歴史は昭和6年に開設された原町実費診療所まで遡り、90年以上相双2郡の医療の中心として運営されてきました。その長い歴史の中でも、平成23年に発災した東日本大震災・福島第一原子力発電所事故は非常に大きな出来事でした。当院が経験した貴重な知見は多くの論文となり、災害医療や震災復興におけるマイルストーンとなっています。

福島第一原子力発電所事故により、相双2郡の広範な地域に居住制限が設けられ、多くの地域が一夜にしてゴーストタウンと化しました。南相馬市には震災前の約7割の住民が帰還しましたが、居住制限が解除されず、未だに人が住めない地域も存在します。また帰還した住民の多くは高齢者で、若年層の帰還は震災前の半分以下です。そのため、相双2郡の高齢化率は震災後35%を超え、年を追うごとに社会的孤立や老老介護など、超高齢化社会特有の問題が顕在化しています。

地域の超高齢化だけではなく、令和6年度は医師の働き方改革、診療報酬改定、介護保険改定、薬価改定と様々な変革を求められ、病院の真価が問われる年となります。「病院は有機的な生き物であり、常に新陳代謝と成長が必要」「時代の変化に対応できる病院だけが、地域のニーズに応じた医療を提供できる」は病院運営の必然であり、常に新陳代謝と成長を続ける病院を目指します。

令和5年4月、約20年ぶりに病院理念を刷新しましたが、その理念には「人に寄り添う」ことを第一に掲げました。「人に寄り添う」の人とは患者さんのみならず、ご家族、親類、患者さんに関わりのある知人、さらにはその地域に住むすべての人を含んでいます。われわれは地域に住むすべての人に寄り添うことで、個人の幸せ、社会の幸せに貢献できるのではないかと考えています。南相馬市立総合病院は常に人に寄り添い、適切で充分な医療が提供できるよう、これからも職員一同全力で取り組んでいく所存です。今後とも市民皆さん全員の病院として、ご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。

及川おいかわ 友好ともよし

2011年3月11日の東日本大震災、その後の原発事故により、南相馬市の人口は一時7万人から1万人以下に減少しました。平成27年10月現在、6万4千人(うち震災以前からの市民は4万8千人)まで回復していますが、1万人以上が依然として市外で避難を続けており、その多くが若い世代のため、市内では少子高齢化が急速に進んでいます。市内の仮設住宅、借り上げ住宅に居住する市民は8千人を超え、その多くが高齢者であることから、健康面でのサポートが重要な課題になっています。
当院は原発より23kmに存在し、震災時には常勤医師数は14名から4名に減少、病院の存続が危ぶまれましたが、多くの人々の支援をうけ徐々に立ち直りつつあります。常勤医師数は現在30名です。震災後には、当院の役割として以下の4項目を上げて医療、南相馬市の復興に取り組んできました。

2次救急までの救急医療
小児科、産婦人科の診療体制の整備
南相馬市仮設、借り上げ住宅に暮らす市民の健康管理
放射能汚染に対する内部被曝検診

臨床研修施設の指定を受け、2013年4月より研修医が元気に研修を受け、その数も現在6名まで増加しています。指導医も研修医に正しい医療の知識を教えるべく、知識の再確認を行っています。また、地域医療研修(災害医療研修)も受け入れております。

当院での勤務を望む医療職の方(医師、看護師、医療技術職)は、以下まで連絡お願いいたします。

事務部事務課総務係:sogo-hp-1@city.minamisoma.lg.jp

また、当院見学希望の医学部学生、看護部学生、その他医療スタッフを目指している学生の方、ボランティア希望の方も常時受け入れしておりますので、お気軽にご連絡お願いいたします。